blog

【Yasecオリジナル】FLEX U+(フェーシングマシン)の特徴・導入事例を紹介!

FLEX U+とは?

Yasec(山科精器株式会社)の「FLEX U+(フレックスユープラス)」は、旋削加工における最大の課題であった、回転バランスの悪いワークに対する旋削加工を可能にし、また、サイクルタイムの短縮、さまざまな口径・ワークへの対応を実現したオリジナルフェーシングマシンです。

NC・汎用旋盤の主軸チャックでは振動が発生するために回転数を上げることができないいびつな形状のワークに対して加工可能なのはもちろん、加工ユニットを3方向に設置した多方向からの同時加工、ATC(自動工具交換装置)による多彩な加工を実現しました。

本記事では、フェーシングマシン導入を検討しているお客様向けに、FLEX U+の特徴を詳しくご紹介していきます。

FLEX U+の3つの特徴

特徴1:オペレーターの工数削減も考慮した、サイクルタイム短縮技術

モノづくりの自動化において最も重要視しなければならないのがサイクルタイムの短縮

従来マシンよりも加工スピードが速くなることによる切削時間の短縮はもちろん、部品(ワーク)の交換やツールの入れ替え等の非切削時間、すなわちアイドリングタイムの短縮も“サイクルタイムの短縮”には必要になります。

FLEX U+は加工の速さはもちろん、ATC(自動ツール交換システム)やワンチャッキングシステムにより「アイドリングタイムの短縮」も実現しています。

特徴2:高い剛性(特注シャンクでの設計も可能)

製造業においては、ただ「加工が速ければ良い」というものでもありません。

サイクルタイムが短いことはもちろん、その仕上がり・精度もしっかりと担保する必要があるため、ワーク素材に負けない剛性が必要です。

FLEX U+の強みである“カスタマイズ性”の中には、お客様のワーク素材にあわせたシャンクを選定し、加工時にワークに負けない剛性の担保も可能です。

特徴3:幅広い口径・ワーク形状に対応!

継ぎ手やネジのような小さなものから、油圧シリンダーや船舶部品などの大型ワークまで幅広い口径・大きさのワークに対応。

  • サイクルタイムを短縮したいけど、うちの製品サイズに対応していないかも…
  • ワーク自体が硬いので、刃負けしないか心配…

上記のようにお悩みの方も、ぜひお気軽にご相談ください。

ここからはFLEX U+をベースにした特注モデルを、具体的なワーク・加工製品ごとにご紹介します。

「FLEX U+」ベースのオリジナルマシン事例

事例1:長尺ワーク向けや内径クランプ用の「中空NCフェーシング」

FLEX U+をベースに、産業用ポンプケーシングやアクスルハウジングなどの長尺ワーク加工のために設計された「中空NCフェーシング」です。

長尺ワークのより中央部側を加工する際に、主軸が加工箇所に近づいて加工できるので、コンパクトなツール(刃具)を使って加工できます。汎用マシンではロングツールとなって精度が不安定になる加工箇所でも、中空FLEX U+により精度変化の少ない加工を実現しました。

産業用ポンプケーシング加工については、下の記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

関連記事:『ポンプ加工におけるサイクルタイム短縮技術|“ワンチャッキング完結型”マシンの開発について

事例2:複数面加工向けの「3方向CNCフェーシング機」

継ぎ手などの接続部品の製品では、最低でも「2面以上」の接続面を持つため、加工面も必然的に2面以上となります。

「3方向CNCフェーシング専用機」は、油圧上下クランプ方式の治具を配置し、これを中心として3基のFLEXU+(CNCフェーシングユニット)にて構成されています

フェーシングヘッド上には多刃型【内径(端面)、外径(面取り)、ネジ切りの3バイトで構成】のツールブロックが装着されているため、多面同時加工を実現し、サイクルタイムを大幅に削減しました。

継ぎ手加工については、下の記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

関連記事:『「継ぎ手」製造のサイクルタイムを大幅改善!FLEX U+の応用例“3方向CNCフェーシング機”の開発背景について

事例3:多様な口径+内径基準を実現した「FLEX U+CYLINDER」

 

特に油圧シリンダーなどの多様な口径+内径基準の切削が必要とされるワーク向けに「FLEX U+CYLINDERを設計・開発しました。

こちらは「サイクルタイムの短縮はもちろん、大小さまざまな口径にも対応したい」というお客様からのご相談をもとに、長尺ワークを回さずに加工できるよう設計しました。

また、位置計測用の「タッチプローブ」を搭載しており“内径基準での切削”も実現しています。

マシンの特徴については、下記記事をご覧ください。

関連記事:『油圧シリンダーの製造課題に向き合う|お客様の声から生まれた”オリジナルマシン”誕生背景について

ワークに合わせたマシン設計・開発なら、
山科精器にお任せください!

本記事で紹介したように、当社ではお客様の製造するワークや製品の特徴、それによって生まれる“課題感”をもとに、オリジナルマシンの設計・開発を行っております。

  • サイクルタイムを短縮して、生産量を増やしたい
  • 1製品あたりに必要な「作業工数」を減らしたい
  • 加工だけでなく、搬入〜搬出の手間も踏まえて改善したい

上記の様なお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を書いた人
アバター画像
山科精器(株)ビジネスソリューション

山科精器(株)のマーケティング部門、営業部門の機能を有するセクションです。ファクトリーオートメーションや工作機械の分野で豆知識などの情報発信。お困りごとがございましたら是非ご相談承ります。

一覧へ戻る