現役アスリートとして競技を続けながら、
社員としてのキャリアも重ねるアスリート社員の藤木日菜さんに、
入社のきっかけや、デュアルキャリアとして働くうえでの本音まで語っていただきました。
〜家族と歩んできたモーグル人生〜
――モーグルを始めたきっかけを教えてください
スキーを始めたきっかけは、スキー好きの家族の影響です。
特に父は大のスキー好きで、物心がついた頃には自然とスキーをしていました。
モーグルを始めたきっかけは、先に競技を始めていた兄の影響です。
兄の後ろを追いかけて滑っているうちに、気付いたら私もモーグルを始めていました。
兄がモーグルを始めたのも、父から「モーグルはスキーの中で一番かっこいい競技だ」と
小さい頃から聞いて育ったことがきっかけだったそうです。
今思うと、家族みんなが自然とモーグルにつながっていたんだなと思います。
――モーグル選手として思い出に残っていることや、一番嬉しかったことは何ですか?
もちろんオリンピックに出場できたことは、自分にとって本当に大きな経験です。
でも、一番心に残っているのは、中学 2 年生の時に出場した B級公認大会で初優勝したことです。
その大会は予選を最下位で通過して、
「もう結果は気にせず思い切って滑ろう」と決勝に挑みました。
そうしたら逆転で優勝することができて、翌日の大会でも優勝して
2 日連続で優勝することができたんです。
当日は家族みんなが応援に来てくれていて、兄がコースの横から「飛ばせー!」と
大きな声で応援してくれたことを今でもよく覚えています。
家族みんなで勝ち取った優勝だったなと思いますし、
あの時の景色やみんなで喜び合った瞬間は、今でも忘れられない大切な思い出です。
〜競技人生の転機〜
――競技人生の中で、一番大きな転機になった出来事を教えてください
高校生から大学生の頃は、本当に結果が出なくて苦しい時期でした。
周りの同級生はナショナルチームに選ばれたり、ワ ールドカップに出場したりしている中で、自分だけなかなか結果が出なくて、「もうこれ以上は上手くなれない」と思っていました。
その頃は、大学を卒業したら競技を辞めようと考えていました。
でも、その少し前に北海道で一日だけ一緒に練習したコーチのことがずっと心に残っていたんです。
教え方や考え方がすごく新鮮で、「このコーチに教わったら変われるかもしれない」と思いました。
そこで、「どうせ辞めるなら、やりたいことを全部やってから辞めよう」と思い、
自分からコーチに連絡し、約 2 か月間、北海道でコーチの家にお世話になりながら練習させてもらいました。
不安もありましたが、それ以上に「やってみたい」という気持ちの方が強かったです。
今振り返ると、あの時に思い切って行動したことが、今の自分につながっていると思います。
競技だけじゃなく、何か迷った時も「まずは挑戦してみよう」と思えるようになったのは、この経験があったからです。
――スランプやうまくいかなかった時は、どのように気持ちを切り替えていますか?
これまで競技を続けてきて、正直うまくいかなかったことの方が多かったです(笑)。
だから、「うまくいかなくて当然」「そんなに簡単にできるわけがない」と思うようにしています。
落ち込むことよりも、「どうしたらできるようになるかな?」と考え続けることを大切にしています。
そうやって少しずつできることを増やしていく方が、自分には合っていると感じています。
練習が終わったら、気持ちはしっかりオフに切り替えます。
スキーのことは一度置いて、自分の好きなことをして過ごす時間を大切にしています。
リフレッシュすることで、「明日も頑張ろう!」という気持ちでまた練習に向き合えています。
〜デュアルキャリアという選択〜
ーー現在はどんな業務を担当していますか?
現在は広報の部署で仕事をしています。
会社のホームページを作成したり、Instagramで自身の活動を発信したりと、広報に関わる仕事を担当しています。競技とは違う分野なので、新しく学ぶことも多いですが、毎日新鮮な気持ちで取り組んでいます。
競技だけでなく、仕事でも挑戦できる環境があることは、とてもありがたいなと感じています。
ーー月間のスケジュール例を教えてください
オフシーズンは、週に1~2回会社へ出社して業務を行っています。
それ以外の日は、大阪でウォータージャンプの練習やトレーニングをしたり、強化合宿に参加したりしています。
シーズン中は遠征や大会が続くので競技中心の生活になりますが、出社した時は仕事にしっかり集中して、競技とのメリハリを大切にしています。
ーー「デュアルキャリアで働こう」と思った理由を教えてください
きっかけは、兄が競技と仕事を両立していたことです。
兄から「仕事をすることで練習できる時間がより貴重に感じられるし、新しい発見もある」と聞いていて、その姿を見ているうちに、私もデュアルキャリアに挑戦してみたいと思うようになりました。
実際に始めてみると、本当にその通りだなと感じています。
仕事という競技以外の時間があることで、限られた練習時間をより大切にできるようになりました。「今日は何を目的に練習するのか」を考えながら取り組めるようになり、一回一回の練習への集中力も高くなったと感じています。
仕事では、競技では経験できないことや新しい出会いもたくさんあります。仕事と競技のどちらかではなく、両方に挑戦することで、それぞれが良い刺激になり、自分自身の成長につながっていると思います。
〜山科精器との出会い〜
ーー山科精器に入社した決め手を教えてください
一番の決め手は、会社の経営理念にある「積極果敢に挑戦する」という言葉です。
私自身、競技を続ける中で一番大切にしているのも「挑戦すること」です。新しい技に挑戦したり、自分の限界に挑戦したり、その積み重ねが成長につながると思っています。
会社説明を聞いた時に、その考え方が自分とすごく重なって、「この会社なら同じ想いを持って成長していける」と感じました。それが入社を決めた一番の理由です。
ーー実際に働いてみて、社内の雰囲気はいかがですか?
すごく明るい雰囲気で、皆さんが気軽にコミュニケーションを取りながら仕事をしている会社だなと感じています。
社員一人ひとりのことを大切にしてくれて、「やってみたい!」ということにも積極的にチャレンジさせてもらえる環境です。
私は出社日数が多くはないのですが、出社した日は同期と一緒にお昼ご飯を食べながら、仕事のことや何気ない話をして楽しく過ごしています。
競技との両立を応援していただけるのはもちろんですが、アスリート社員という特別な存在ではなく、一人の社員として接してもらえることがすごく嬉しいです。いつも温かく迎えてくださる皆さんには、本当に感謝しています。
〜最後に〜
ーー今後の目標について教えてください
まずは、競技でも仕事でも常に成長し続けることを目標にしています。
競技では、4年後のオリンピックでメダルを獲得することが一番大きな目標です。その目標に向かって、毎日少しずつでも成長しながら、一歩ずつ前に進んでいきたいと思っています。
仕事でも、まだまだ学ぶことばかりですが、いろいろなことに挑戦しながら、一人前の社会人として成長していきたいです。
そして、これからは競技だけでなく、地域のイベントや子どもたちとの活動にも積極的に参加して、モーグルの楽しさやスポーツの魅力を伝えていけたら嬉しいです。
応援してくださる皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、競技も仕事も全力で挑戦し続けます。これからも応援よろしくお願いします!
番外編 ~藤木選手の素顔に迫る!~
Q.遠征中の競技以外でのリフレッシュ方法を教えてください!
遠征中はなかなか自由に出かけられないので、小さな楽しみを見つけるようにしています。
食べることが好きなので、好きなものを作って食べたり、たまに甘いものを食べたり(笑)。
あとは、ゴールデンレトリーバーが大好きなんです!動画を見ているとすごく癒されます。練習が終わったら、スキーのことは一度置いて、自分の好きなことをする時間を大切にしています。
Q.ほかにも好きなものはありますか?
コーヒーが大好きです!
朝はパンを焼いて、卵や野菜をワンプレートに盛り付けて、お気に入りのコーヒーを淹れながらゆっくり朝ごはんを食べる時間がすごく好きなんです。
遠征にもお気に入りのコーヒーを持って行くくらいで、朝のコーヒーは欠かせません!
Q.最近ハマっている食べ物はありますか?
最近は、ちょっと高級なヨーグルトにハマっています(笑)。
スーパーで売っている少し高いヨーグルトなんですが、それを食べている時間がすごく幸せなんです。
いつも買えるわけではないんですけど、「今日は頑張ったから食べよう!」っていう、自分への小さなご褒美です(笑)。
Q.座右の銘や、大切にしている言葉はありますか?
「人間力なくして競技力向上なし」という言葉です。
これはJOCも掲げていた言葉なんですが、「本当にその通りだな」と思って、今も大切にしています。
競技はどうしても結果で評価される世界ですが、私は結果だけではなく、「応援したい」と思ってもらえる選手でいたいと思っています。
競技人生より、その後の人生の方が長いですし、人として成長することが競技にもつながると思っています。
だからこれからも、人間力も競技力も、一緒に成長していきたいです。
Q.大会の日のルーティンや勝負飯はありますか
あります!大会の日の朝は、必ず卵を食べます。
―何か理由があるんですか?―
実は、おじいちゃんとの思い出なんです。
小さい頃から、「昔は卵はすごく貴重だったんだぞ」とか、「マラソン大会の日に卵を食べたら優勝できた!」という話を何度も聞いて育ちました(笑)。
おじいちゃんはもう亡くなってしまったんですが、大きな大会の日になると、その話を自然と思い出すんです。
だから今でも、「今日は卵を食べたから大丈夫!」って、自分に言い聞かせるような気持ちで朝ごはんに卵を食べています。
―おじいちゃんから受け継いだ勝負ルーティンなんですね!―
そうです!卵を食べると、おじいちゃんが背中を押してくれているような気がして、安心してスタートラインに立てます。